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2006.02.16

ダート・ウチダ・ゲストハウス

昨日はこのゲストハウスの“おまかせ朝ごはん”メニューをお伝えしたので今日はこのビルジングのことをお話しまひょ。ワシの叔父貴、内田達男はかれこれ20年以上前からココ、ダバオの日系人会などの支援を個人的に続けている。彼は実は“ダバオ・ボーン”と呼ばれる、正真正銘ダバオ生まれ。戦前から盛んに行われた海外移住地として木材・マニラ麻で有名だったダバオの移住者のひとりを父に持ち、戦争で激戦地になるまでダバオにいたらしい。叔父にしてみればダバオは第2の故郷、「自分が出来る事をしているだけ・・」と言う叔父にはいつも頭が下がる。そんな叔父が“これが最後の夢”とずっと野球を続てきた孫と組んでダバオでリトルリーグを作るプロジェクトを始めた。そのための基地がこのビルなのだ。孫のユウスケ君が野球仲間を連れてきても大丈夫な様にと2階には6部屋のゲストルーム。それだけじゃなくナンカシラ活動に協力して下さる方たちに宿泊して頂、頂戴する宿泊費はそのままビルの維持費、奨学生の学費、ユウスケ君のプロジェクト費用に使わせて頂く。ソンナ構想からビルの建設が計画され、現地にいるワシは叔父貴の片腕として建築全般の建て主側の現場監督を引き受けたのだ。尊敬する叔父貴の何かお手伝いが出きれば本望・・・・・そもそもワシはブログでも紹介している畑澤社長のもとで20年、装飾大工の仕事をさせて頂いてのだが、それこそ何でもやらせて頂いたのでソコソコ経験もつませて頂き「この規模の建物だったら、楽勝だ~っ!」と思ったのだ。実際、プロとしてやって来たワシには“ニホン”でだったらチョロイ!・・・・ここがミソだった!ここはフィリピン・・・。ニホンと同じようには“マッタク!!”行かなかった。せっかくダバオにきたのに“ニホンと同じイライラ”で半年過ごした。実際に全てを、打ち合わせから確認から、自分自身でやって見なければワカラナイはずだ。「こっちの建築は簡単ですよね~。」な~んて云ってた知ったかぶりのタワケ者もいたが、事実は小説よりなんとやら・・で、その建物は今、雨漏りやらナンヤラで大変な事になってる。なんか、話がそれてネガティブになりそうなので、元に戻そう。CIMG2391

建築やは約束どおり図面を書いてこない。仕事が遅れる。人工がかさむ。追加費用の話になる。やっと書いてきた図面は使い物にならない・・。結局ワシが殆んどの図面を引いた。ワシとしてはクヲリティも経費も叔父貴のために守らなければならない。いやでもワシが書かなければ、後で問題が出てくる物になってしまうし工期も遅れる。決断してコンパクト・ドラフターを買った。この図面は防犯ようのグリル。建築やの持ってきたデザインはひどいものばかり・・ワシがデザインした。CIMG2385

実際の窓と防虫スクリーンと組み合わさるとこんな風になる。エレガントに仕上がったと思う。世界でひとつのオリジナル・デザイン。CIMG2392

窓の大きさによってアールの大きさや鉄材の太さを指定したが、こっちの職人はそこまで図面が読めなかっただ!CIMG2386

キャッチ・ボールが出来る位の広さで柱を立てるな・・との叔父貴のオーダーで作ったホール。天井のデザインも苦労した。むだな建築費を抑えるため高さをおさえた設計にしたので2階部のドレーン配管との兼ね合いでパズルワーク。何とかおさまりドレーン勾配も確保。たとえプロでもこちらの人には、この辺の感覚も希薄だ。CIMG2393

きっちり、寸法入れてても、簡単なパースを添えてあげないと分かって貰えない。後で分かったのだが、現場の殆んどの人間は図面が読めなかった。CIMG2388

この玄関は絵を描いて説明したのだが分かって貰えず(言葉の問題ではなく図面を頭の中で3次元理解する概念の問題)ワシ自らスミ打ちした。CIMG2394

しかし、この小さなシャンデリアを取り付けた職人だけは“ツーといえばカー”の日本的職人だった。他にもこのタイル工事をした職人の一人でオナベ(こちらではトムボーイと言う)がイイ腕をしていて、真面目な仕事をしていた。ワシが家を建てるときはカナラズ声を掛けるつもりだ。CIMG2395

床材の仕様書。こんなんはふつー建築やが持ってくるのだが、ワシらが作った!CIMG2396

キッチン・食堂の取り合い図面。CIMG2389 CIMG2390

先行きも考え、なるべく少人数で切り盛りできるような導線で設計したキッチン・食堂。DSC01267

早く誰かに引き継いで貰うためにとメルスは今客室のセッティング・マニュアルも作り始めてる。その為の写真の中から

客室の模様。CIMG2406

やはり叔父のオーダーで各部屋に取り付けられたバスタブ。ワシは個人的にバスタブにつかるのは日本に行った時ぐらいだが・・・。ちなみに若い人はほとんど使わない。でもお年寄りの方がたにはいい塩梅らしい。

まあ、こんな具合なのだ。日々メンテナンスはして行かなければならないモノの何とかそこそこのモノが出来たと自負してる。叔父貴や、これからココをどんどん活用して行くユウスケ君にも迷惑をかけずに済んで一安心。しかし建物があってもソフトが出来なければ同じこと。今メルスとワシとで頑張ってソフト作りをしている。後半年がめど。頑張ります。

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2006.02.15

朝ごはん!

今朝、6時にお客さんがチェックアウトされた。こんな時はいつも美味しいフレンチバケットか全麦パンでつくったハム・サンドウィッチを作る。朝早くて、お客さんが出発前に食べられなくてもヒョイと包んで持っていける様に・・との配慮からだ。こんな話題なので久々に朝ごはんの紹介!友人のナイス・コック・ロジャーも手伝ってくれるのだが安定した味を教えるのは難しい。味覚はそれこそ個人差が大きいから・・・。と言うわけで今、メルスとワシで「これさえ見れば誰でも同じ味に、見た目に作れる・レシピ」作りに取り掛かってる。その為に取り貯めている写真の中からいくつか紹介しよう。DSC01462

「アルスカルド(鳥おかゆ)・膳」・・・・デンシャスという美味しいレストランのアルスカルドを研究してメルスの経験からつくったデンシャスより少しサッパリめの逸品。日本のモノより味のきつい生姜をコントロールし、鳥のスープで炊いたおかゆに別に炊いた鳥肉をトッピング。お供はイム・ボティドと言うソーセージの様なものと小海老とシンカマスと言うちょっと甘みのあるフィリピン独特の根菜とのあんかけ炒め。向こうズケの小皿はクッキング・バナナのフライ。ゆっくり時間をかけてフライパンで炒める。フランベも何もしないのにゆっくり丁寧に時間をかけることによって甘みと香りが増す。そしてパパイヤ。パパイヤは選び方を知らなくても大丈夫、だいたい美味しい。問題は“イツ、食べるか?”の判断だけ。もちろん、多少硬かったり、トロミが少なかったりしても良ければイツでも食べられる。DSC01513

「コロッケ膳」・・・時間的な問題で、前の夜から仕込まなければサーブ出来ないが、皆さんから好評のメニュー。家庭的なはんなりした味の中にもパン粉選びやひき肉の下味、ポテトのマッシュ具合などメルスの細かい気配り技がヒカル。またガルニの千切りキャベツなどは日本では何のことは無いが「ハリのある綺麗なキャベツ」を探す事自体一仕事のココでは大変!でもコロッケにはキャベツがなくちゃ・・・。ワカメの味噌汁と日本きゅうりの浅ズケ。フルーツはパイナップル。ごはん、イロイロ試したが今は「ジュリアン」と言うインディカを使ってる。研ぎ方と水につける時間調整で美味しく炊ける。また、炊飯器にもよる。個人的に買ったオカマがアタリで(もちろん厚みなどチェックした訳だが・・・)日本のお米とさほど違わない感じでゴハンが炊ける。ただし冷めるとだめなのでいつも温かいゴハンをお出しできるよう時間調節している。DSC01486

にた様なメニューなのでついでにご紹介。「ありきたり風・和食膳」・・・・オカズはトシノと言う豚肉を漬け込んだモノ、出し巻き玉子、長インゲンの煮びたし。豆腐の味噌汁。味噌汁は隠し味にみりんを使い、また前日がモーレツ暑い日だったり、ゲストのアクティビティーがハードだったりした時はいくぶん塩分調整している。しかし基本的にお客様の年齢そうがあるため、塩分、糖分は控えめ、カリュウムの多い緑色野菜に関しては、煮こぼしをおこなってる。また日本と気候がまったく違うのでなるべくミネラルウォーターをマメに取るようにして頂いてる。パイナップルは短冊作り、食感が変わる。DSC01494

「ブラド・ライス膳」・・・・ブラドという干物は塩気が強く気持ちクサヤのような香りがするが、ここの人達がたまにする様にフライドライスにしないで“混ぜ込み”にすると柔らかくふくよかな香りと味になるのを発見。これも決まった種類の干物を焙り小骨を注意深く取り去り、たまねぎと味付けをした物を用意しておきゴハンの炊き上がりに和える。マグロのフィシュ・フィレット、タルタルソース添え、とゴーヤ(ニガウリ)の炒め物。フィリピンきゅうりの甘酢とリンゴのヨーグルト和え。ジュースはマンゴーネクター。DSC01535

簡単に済ませる時の定番「ツナ・サンドウィッチバーガー膳」・・・・ノンオイルのツナをサラシたまねぎとペッパー・マスタード・シーズ、マヨネーズ等で整え、リーフレタス、トマト、キュウリなどと一緒に、軽くトーストしたバーンズにトッピング。ガルニのパスタはファルファッレのトマトソース。ツナに合うように軽い味付けにしてある。基本的にフィリピンではオイルを多用するためココではなるべくオリーブオイルを使う様にしている。ただしオリーブは香りの個性が強いので単体で使う事は少ない。これだけイタリアンがはやっているのに大多数の日本人にはオリーブの香りは強すぎる様だ。DSC01568

日曜日の朝、ワシとメルスはタイガイ教会に行くので、お客さん用に作って出かける事の多いメニュー「フレンチ・トースト膳」・・・・こちらでハード・ブレッドと呼んでいる、もっちりと詰まった様な軽くないパンをフレンチ・トーストにするとこれまた旨い!ガルニにはフットチーネのベーコン・クリームスタイルとゆで卵のトマト・バスケット。フルーツはマンゴー、コーヒー、レモネード。ここではフレンチトーストに地元の蜂蜜をチョロットかける。コノ味が良く合う。

と言うわけで今日は真面目にレポート・・・如何でしたか? なのダ!

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2006.02.14

ハピーバレンタイン!

今日は朝からご近所じゅう「Happy Valentine’s day !」と声を掛け合うのだ。恋人や夫婦はもちろんだが、フィリピンでは家族も含めてお祝いするのダ。CIMG2399

今、みえているゲストの青木さんのお誕生日が昨日だった事もあり、メルスが手作りの“美味マンゴー・ケーク”を作ったので、そばの住宅地に住んでいる友人の寺本さんにも・・・と持っていったのだ。ケアギバーのセシル&DJと寺本さんとメルス。CIMG2403

コノ後、ワシらは近くのレストランで夕食おデート。やたらと量があり二人とも嬉しい・・!CIMG2401

ワシはフィシュ&チップスにハインズのケチャップ、ドバドバかけて頂きました。

何はともあれ、皆様にもーHappy Valentines

day !

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2006.02.10

きたよ~ん!

ワシプロ・ロスで発注して貰い、ワシプロ・オオミヤでEMS送りして貰った“虎の巻”、きたよ~ん!CIMG2381 と言う事で、ダバオ郵便局までとりに行ってきた。これでモウ失敗しても全部最初からやり直ししなくてもスム!!ありがとうごぜ~ます。CIMG2383

気を良くしたワシは郵便局の帰り道、お菓子をかってビルに戻る。メグミとメルスが待っていた。彼女達には食物に対して動物的な感がある。すでにワシがなんか買ってきたのを察知している。CIMG2382

今日のお菓子はサピンサピン、ウベ芋(ムラサキ芋)と餅米でつくった、ちまきよりもネチネチしたでも美味しいお菓子。いつも外でお菓子を買ってくるときはモチロン皆の分を買ってくる。イネスん家と合わせて10個。1個10ペソ(約20円)なので100ペソ。日本の感覚で言ったら安いものだ。でも、デモ、ワシの分にはすでに誰かの歯型。二人をにらみつけると、CIMG2384

クッションで顔をかくした。慎ましいのかずーずーしいのか分からないのダ。まっ、兎に角、明日からまた3人様のお客さん、録音もちょっとお休みなのダ。

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2006.02.01

また移動!

先日、PCを事務所から2階の空いてる部屋に移動した。ワシが本来ダバオでやりたかった“音楽作り”の為なのダ。なにせ事務所は「事務所」として作ってあるので音楽作りのための録音は出来ない。今やってるのはPCをつかってロスの銀の字が用意してくれた“プロ・トゥールス”というソフトと“デジタル玉手箱”で楽曲をロスの彼のスタジオに直接送るというハナレ技なのダ。シ、しかし、日本からの連絡でゲストハウスに予約が入り部屋を準備する為、また別の部屋に移動しなければならなくなったった!朝から汗カキ移動終了。CIMG2368

こんな感じ・・・。PCの向こうに見えるマットレスはテラスのドア口をふさいでる。もちろんわざとなのダ。録音してると色んな音が入り込んでくる。とくにココの住宅地で番犬としてほとんどの家がかっているワンコの声とココの住宅地でも多くの人達が飼っている“闘鶏用のニワトリ”が問題なのだ。cimg0704_thumb1 ちょうどゲストハウスのテラス側、裏庭のところに放し飼い(足首に紐つけて・・)にしているヤツが時間・タイミングおかまいなしに「クゥケクゥオッコ~・コッコッコー」とやるのダ。ワシは肉類、トリも含め昔からいっさい食べられないのだが、さんざん録音のじゃまをされると「おまーら、やきとりにして食ってやるかんねー!」と言いたくなる・・!実際、多くのお客さんが「ダバオのトリの丸焼きは旨い!」と言っている。地鶏と同じハナシ飼いだもんね。つーワケでドアやら窓の開口部を塞いだのだ。ワシはコー見えても大工さん時代、録音用スタジオ3箇所の仕事をやらせてもらった経験があるのダヨ~ン。だから多少、防音・音響の知識が左耳から垂れている。固体振動、空気振動、音響工学の見地からポイントを鋭く見抜き、マットレスを立てかけたのは効果あり15デシベルほど???下がった?まっ、しかし、早くこの近くに家をみつけて引っ越さなきゃ・・・と思うこの頃。ちょこちょこと足を運んでくれるお客さんの対応で家探しもままならないのが現状なのだが、すでに進行している「土地かい~の、家たて~の・作戦」ではメルスに「必ず簡易防音・音楽部屋を作るかんね!」と言ったら「あたしゃ台所にしかキョーミないから、どーぞ、ご自由に!」と言われてしまった、がちょ~ん。

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